早稲田の大将フランス語で成績1位!

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早稲田の大将は、
要領のよさでも大将レベルでした。

第二外国語のフランス語の試験で、
なんとクラスで1位の得点を記録したのです。

得意でもないフランス語での、最高得点。
その秘密に迫ります。

自慢するわけじゃないけど、
ヌルハチ先輩の試験切り抜け術には、
見るべきものがありました。

大した勉強もしていなかったフランス語で、
語学のクラスで、
最高得点を取ったことがありました。

フランス語なんて、
ほとんどできないヌルハチ先輩。

最高得点の裏には、
驚くべき勉強方法があったのです。

大学に入学すると、
教養課程で、
外国語の履修が義務付けられています。

普通の人の場合は、
第一外国語には、
英語を選択するのが一般的です。

中学以来の外国語ですからね。

もちろん、他の外国語を選んでも、
いいわけですが、
ヌルハチ先輩の場合は、
あくまでも、
楽をして単位を取得したいという、
願望があったため、
当然のこととして、
得意の英語を選んだわけです。

勉強しなくても、
「優」を取る自信があったからです。

これも、すべて、
受験生時代の英語勉強のおかげでした。

英語はしっかりとやっておくと、
その後の人生は楽ですよ。
いろいろな局面でね。

第一外国語は英語で決まりとして、
問題になったのは第二外国語でした。

真っ先に除外したのが、ドイツ語でした。

文法が難しそうであり、
ドイツ語の羽振りそのものも、
今一つだったからです。

現在ならば、間違いなく、
中国語を選ぶところでしょうが、
当時の中国は、
絵にかいたような発展途上の国というのが、妥当な評価でしたので、
中国語を選択しようという発想は、
ありませんでした。





そこで白羽の矢が立ったのが、
フランス語でした。
何か感じが英語に似ていましたし、
教養の香りあふれる外国語、
という認識でした。

英文学のなかで、
例えばシェイクスピアなどの作品中には、
しょっちゅう、フランスやフランス語が、
出てきていたわけですが、
そういったことの影響もあったと思います。

実際にフランス語をかじった印象は、
本気で学習すれば、
上達は早いだろうという印象です。

文法なども、
それほど難しくはないと思います。

そういう感触を持ったフランス語ですが、
早稲田の大将は、
本来の怠け癖が頭をもたげてしまい、
またまた、
勉強もしないでいい点を取りたいと、
思い始めていました。

このフランス語の先生の授業は、
解釈が中心で、
先生の話では、
試験も日本語訳試験になるということでした。

この言葉を聞いて、ヌルハチ先輩は、
心のなかで万歳を唱えました。

文法の問題などが出されるのを、
いちばん恐れていたわけですが、
訳だけだと聞いて万々歳だったのです。

しめた!というところでした。





フランス語の実力など、
さらさらないヌルハチ先輩。

どういう試験対策を取ったと思いますか。

答えは、
早稲田の大将ヌルハチ先輩の得意技、
フランス語の日本語訳全文暗記でした。

全文暗記といっても、テキストの全部を、
覚えたわけではありませんでした。

試験範囲に指定された部分だけでした。

確か数十ページはあったと思います。

この試験対策には、
まったく問題がなかったわけでは、
ありません。

かんじんな日本語訳を全部覚えても、
試験で出されるのは、
どの部分かはわからないのです。

試験に出された部分のフランス語を、
日本語に直すわけですから、
その出されたフランス語が、
丸暗記した日本語の、
どの部分に該当するかが、
見当つかなければ、
せっかくの努力も、
全くのむだになってしまう恐れも、
あったのです。

そこでヌルハチ先輩が取った戦法は、
各段落の出だしのフランス語を覚えて、
それに対応している日本語訳の部分を、
同時に記憶するという方法でした。

試験問題は、
段落単位で出されるだろうと、
考えたわけです。

この予想は的中しました。

もろに、段落の初めからの問題文、
となっていました。

このフランス語の先生は、
きわめて常識的は思考の、
持ち主だったのです。

解答の最中は、「しめしめ」でした。

フランス語なんかわからないのに、
完璧な日本語訳の出来上がりでした。

翌週の授業の時、
先生は試験の結果の書いてある手帳を、
見せてくれました。

そこには94点で、
クラス一番の得点だった、
ヌルハチ先輩の成績が、
しっかりと記されていました。

こんなことがあっていいのか、
という結果ですが、
これは本当にあったことです。

クラスのなかには、
フランス語の実力が上の人は、
大勢いたはずです。

そういった人たちを押しのけて、
フランス語下克上まで成し遂げてしまった、
ヌルハチ先輩は、
まさに早稲田の大将の名を辱しめない、
早稲田の要領大将
でもあったのです。






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