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ホーム >国語 >古文 >「大鏡」や「蜻蛉日記」に見る「もがさ」の正体 「大鏡」や「蜻蛉日記」には、 「もがさ」と呼ばれるものが頻繁に登場します。 日本の古典によく顔を出す、 この「もがさ」とは一体どういうものなのでしょうか。 古典を読んでいると、 非常に奇妙な単語がよく出てきます。 それは「もがさ」という言葉です。 その語感からも、 あまりいい意味はないように感じられますが、 実は、この「もがさ」は、 天然痘を表す古語なのです。 天然痘は、 1980年5月8日にWHOが根絶宣言を行い、 現在では完全に過去の病となっていますが、 長い間人類を悩ませ苦しめてきた恐ろしい病気でした。 この「もがさ」=天然痘ですが、 人類とのかかわりは深く、かつ長いものであるだけに、 世界の古典ばかりでなく、 日本の古い書物にも多くの言及が見られます。 例えば、「大鏡」のなかには、 この流行り病で亡くなった藤原氏の兄弟の話が出てきます。 三蹟として有名な藤原行成という人がいますが、 この行成の父である藤原義孝は、 もがさの大流行によって、 974年、兄の挙賢(たかかた)とともに、 21歳の若さで、兄と同じ日に没しています。 こともあろうに、 兄弟そろって、しかも同じ日に、 朝と夜に二人とも亡くなったと、 「大鏡」には書いてあります。 若くして実の父や後ろ盾を失った行成は、 その後かなり苦労したようです。 八方美人的なところもあったことがうかがえる記述が、 「枕草子」のなかに見えますが、 これも行成流の処世術だったのでしょう。 なお、行成は生前から能書家として有名だったようです。 そのような記述が「枕草子」にありますから。 また、「蜻蛉日記」にも、この病気のことが出てきますが、 こちらの方もかなり衝撃的です。 致死率の非常に高い天然痘ですが、 かかったら必ず死ぬものでもなく、 また近くにいても、必ずうつるものでもなかったようです。 「蜻蛉日記」の作者は、 右大将道綱の母と呼ばれますが、 この藤原道綱自身が天然痘になり、 しかも日記の作者である母親が、 なんと道綱の看病をしたというのです。 さいわいにも道綱はぶじに回復し、 また、道綱の母も「もがさ」にはかからなかったようです。 天然痘のような恐ろしい病気でも助かる人は助かり、 看病しても、うつらない人にはうつらない。 このことが実際の日記のかたちで残っているのは、 驚き以外の何物でもありません。 「もがさ」恐るべし。 「蜻蛉日記」恐るべしです。 古文勉強と大鏡 親王宣下と親王の等級 「新古今和歌集」三夕の歌と体言止め 一文一個主義が古文単語を制す! 「大鏡」や「蜻蛉日記」に見る「もがさ」の正体 源平盛衰記に出てくる美男子 蜻蛉日記と右大将道綱 平家物語と古文単語 古典文法をドリルで完成する!ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル 古文読解解法の手引き! 古文読解が面白いほどできる本 伊勢物語を読む古文 古今和歌集で古文攻略! 兼好法師が教える古文! 文法全解徒然草 古典常識を教えるまんが源氏物語! 「源氏」でわかる古典常識 森野宗明先生の古文ラジオ講座 文学史で決める国語得点! 原色シグマ新日本文学史 ・世界史 高校参考書世界史 英語勉強法 ・英単語英熟語 ・英文読解 ・英語長文 ・英文法 ・英作文 ・究極リスニング ・特A受験英語 ・英会話 国語勉強法 ・現代文 ・古文 ・漢文 ・日本史 ・模擬試験 ・通信教育 ・参考書の選び方 英語参考書 国語参考書 連絡メール プロフィール |
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